DNSとは?仕組みを初心者向けにわかりやすく解説|インターネットの電話帳

Webサイトを見るとき、私たちは「google.com」のような名前を入力するだけでページにたどり着けます。その裏側で働いているのがDNS(ドメインネームシステム)です。

この記事では、DNSの仕組みを専門用語をできるだけ使わずに解説します。「DNSの設定を変えると速くなるって本当?」「DNSエラーって何?」といった疑問にもお答えします。

この記事のポイント

  • DNSは、ドメイン名をIPアドレスに変換する「インターネットの電話帳」
  • 名前解決は、いくつかのサーバーにバトンをつなぐように行われる
  • DNSの不調は「ネットにつながらない」原因になることがある

DNSとは「インターネットの電話帳」

スマホとパソコン

インターネット上の機器は、IPアドレスという数字の住所で区別されています。でも「142.250.〇〇.〇〇」のような数字を人間が覚えるのは大変ですよね。

そこで、覚えやすいドメイン名(例:takeshiijichi.com)と、IPアドレスを結びつけて管理しているのがDNSです。電話帳で名前から電話番号を調べるように、DNSはドメイン名からIPアドレスを調べてくれます。この変換のことを「名前解決」といいます。

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DNSの仕組み:名前解決の流れ

ネットワークのイメージ

ブラウザにURLを入力してから、IPアドレスがわかるまでの流れをざっくり見てみましょう。

  1. ブラウザやパソコンが、まず手元の記録(キャッシュ)を確認する:最近アクセスしたサイトなら、ここですぐにわかります
  2. わからなければ「DNSキャッシュサーバー」に問い合わせる:多くの場合、プロバイダーが用意しているサーバーです
  3. キャッシュサーバーが、上から順番に聞いて回る:「.com」を管理するサーバー、さらに「takeshiijichi.com」を管理するサーバーへと、バトンをつなぐように問い合わせます
  4. IPアドレスがわかったら、ブラウザに返す:ブラウザはそのIPアドレスのサーバーにアクセスして、ページを表示します

この一連の流れが、ほんの一瞬で行われています。一度調べた結果はしばらく記録(キャッシュ)されるので、2回目以降はさらに速くなります。

DNSに関わる2種類のサーバー

  • DNSキャッシュサーバー(フルリゾルバー):利用者からの問い合わせを受けて、代わりに調べてくれるサーバー
  • 権威DNSサーバー:それぞれのドメインについて「正解」の情報を持っているサーバー

例えるなら、キャッシュサーバーは「代わりに調べてくれる受付係」、権威DNSサーバーは「各地域の住所録を管理している役所」のようなイメージです。

DNSに関するよくある疑問

「DNSエラー」と出てページが開かないのはなぜ?

名前解決がうまくいかず、IPアドレスがわからない状態です。ルーターやパソコンの再起動、別のWi-Fiやモバイル回線での接続を試してみましょう。特定のサイトだけ開けない場合は、そのサイト側の問題のこともあります。

DNSを変えるとネットが速くなる?

パソコンやルーターの設定で、使うDNSキャッシュサーバーを変えることができます。名前解決の時間が短くなってページの表示が少し速く感じることはありますが、動画のダウンロード速度など回線そのものの速さが変わるわけではありません。設定を変える場合は、信頼できる大手のサービスを選びましょう。

DNSとIPアドレスの違いは?

IPアドレスは「住所そのもの」、DNSは「名前から住所を調べる仕組み」です。

ドメイン名の仕組みを知っておこう

パソコンで作業する

DNSをもっと理解するために、ドメイン名の構造も見ておきましょう。例えば「www.example.co.jp」というドメインは、右から順番に大きな区切りになっています。

部分 名前 意味
jp トップレベルドメイン 国や種類を表す(jp=日本、com=商用など)
co セカンドレベルドメイン 組織の種類を表す(co=企業など)
example サードレベルドメイン 組織やサイトの名前
www ホスト名 そのドメインの中の、特定のサーバーを表す

DNSの名前解決は、この区切りを右から順番にたどっていくイメージです。まず「jp」を管理するサーバーに聞き、次に「co.jp」、さらに「example.co.jp」を管理するサーバーへと問い合わせていきます。住所を「日本 → 県 → 市 → 番地」と絞り込んでいくのと似ていますね。

DNSレコードの種類

権威DNSサーバーには、ドメインに関するさまざまな情報が「レコード」として登録されています。よく使われるものを紹介します。

レコード 役割
Aレコード ドメイン名とIPv4アドレスを結びつける
AAAAレコード ドメイン名とIPv6アドレスを結びつける
CNAMEレコード ドメイン名に別名をつける
MXレコード そのドメインあてのメールを受け取るサーバーを指定する
TXTレコード ドメインの所有確認や、なりすましメール対策の情報などを登録する
NSレコード そのドメインを管理する権威DNSサーバーを指定する

ふだんWebサイトを見るだけなら意識することはありませんが、ブログやサイトを運営するようになると、これらのレコードを設定する場面が出てきます。

ブログ運営者が知っておきたいDNSの知識

自分でブログを独自ドメインで運営する場合、DNSはとても身近な存在になります。

  • ネームサーバーの設定:ドメインを取得したら、どのDNSサーバーで管理するか(ネームサーバー)を指定します。レンタルサーバーのネームサーバーを指定するのが一般的です
  • 反映には時間がかかることがある:DNSの設定を変えても、各地のキャッシュサーバーに古い情報が残っているため、反映まで数時間〜最大で数日かかることがあります
  • Googleのサービスとの連携:Search Consoleなどでドメインの所有確認をするときに、TXTレコードを追加することがあります

DNSキャッシュをクリアする方法

サイトの引っ越しやDNS設定の変更直後など、古い情報が残っていてページが正しく表示されないときは、手元のDNSキャッシュをクリアすると直ることがあります。

  • 簡単な方法:パソコンやスマホを再起動する
  • Windows:コマンドプロンプトでipconfig /flushdnsを実行する
  • スマホ:機内モードのオン・オフや、Wi-Fiのつなぎ直しを試す

DNSを悪用した攻撃に注意

南京錠

DNSはインターネットの土台なので、悪用されると被害が大きくなります。代表的なのが、DNSの情報を書き換えて、本物そっくりの偽サイトに誘導する手口です。

利用者としてできる対策は、ルーターの管理画面のパスワードを初期設定のままにしないこと、ファームウェアを最新に保つこと、そしてログイン画面ではURLや鍵マークを確認することです。少しでも怪しいと感じたら、パスワードやカード番号を入力しないようにしましょう。

身近な例でDNSの働きを見てみよう

DNSのイメージをもっとつかむために、ふだんの行動に置き換えて考えてみましょう。

あなたが友だちの家に初めて遊びに行くとします。名前は知っているけれど、住所はわからない。そこでまず、自分のスマホの連絡先(キャッシュ)を見ます。登録されていなければ、共通の友だち(DNSキャッシュサーバー)に聞きます。その友だちも知らなければ、さらに詳しい人に順番に聞いて回り、最後に本人をよく知る人(権威DNSサーバー)から正確な住所を教えてもらう。住所がわかったら、それを自分の連絡先に登録しておくので、次からはすぐに行けます。

DNSで起きていることも、まさにこの流れです。一度調べた情報をしばらく覚えておく仕組みがあるおかげで、毎回すべてのサーバーに問い合わせなくても、すばやくサイトを開けるようになっています。

逆に言えば、友だちが引っ越したのに古い住所を覚えていると、たどり着けないということも起こります。サイトの引っ越し直後に、人によって新しいサイトが見えたり古いサイトが見えたりするのは、このキャッシュの影響です。時間がたてば古い情報は自然に消えて、新しい住所が使われるようになります。

DNSが止まるとどうなる?

DNSはインターネットの土台の一部なので、大きなDNSサービスで障害が起きると、多くのサイトやアプリが一斉に使えなくなることがあります。サーバー自体は動いていても、「住所がわからない」ためにたどり着けない状態になるからです。

もし「どのサイトも開けないのに、Wi-Fiにはつながっている」という状況になったら、DNSの不調を疑ってみましょう。ルーターの再起動や、モバイル回線への切り替えで改善するか試してみると、原因の切り分けに役立ちます。

DNSを学ぶとネットのトラブルに強くなる

DNSの仕組みを知っておくと、ネットのトラブルに出会ったときに、原因の見当をつけやすくなります。

例えば、「Wi-Fiにはつながっているのに、どのサイトも開けない」という場合。IPアドレスは正しく割り当てられているのに、サイトの名前から住所を調べるDNSがうまく動いていない可能性があります。逆に、「特定のサイトだけ開けない」なら、そのサイト側の問題や、そのサイトのDNS設定の問題かもしれません。

このように、「どこまでは動いていて、どこから動いていないのか」を考えられるようになると、むやみに設定をいじったり、慌てて機器を買い替えたりせずに済みます。ルーターの再起動、別の回線での接続、時間をおいてからのアクセスなど、まずは簡単な方法で切り分けてみましょう。

インターネットの仕組みは、IPアドレス、DNS、プロトコルといった要素が組み合わさってできています。ひとつひとつは難しく感じても、全体の流れをつかんでおけば、ニュースで通信障害の話題が出たときにも、何が起きているのかイメージしやすくなります。

よくある質問

パブリックDNSって何?

GoogleやCloudflareなどが無料で提供しているDNSキャッシュサーバーのことです。プロバイダーのDNSの代わりに設定して使うことができます。

DNSの設定は変えたほうがいい?

ふだんのネット利用で困っていなければ、プロバイダーの初期設定のままで問題ありません。名前解決が遅い・不安定などの不具合があるときに検討しましょう。

まとめ

  • DNSは、ドメイン名とIPアドレスを結びつける「インターネットの電話帳」
  • 名前解決は、キャッシュサーバーが各サーバーに順番に問い合わせて行う
  • DNSの不調でページが開かないときは、再起動や別回線での接続を試す

DNSはふだん意識することはありませんが、インターネットを支える大事な仕組みのひとつです。通信のルールについてもっと知りたい人は、こちらもどうぞ。

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