「お金のことをちゃんと知っておきたいけど、何から勉強すればいいかわからない」。20代になると、こんな悩みを持つ人は多いと思います。
お金の知識は学校ではほとんど教わりません。でも、知っているかどうかだけで、一生のうちに手元に残るお金は大きく変わります。しかも、早く始めるほど有利です。
この記事では、20代がお金の勉強を始めるときの順番・学ぶべき5つのテーマ・おすすめの学び方をわかりやすくまとめました。
- お金の勉強は「使う→貯める→守る→増やす→稼ぐ」の順番で進める
- 最初の一歩は、毎月の収入と支出を把握すること
- 投資は生活防衛資金を用意してから、少額で始める
20代からお金の勉強を始めるべき3つの理由
1. 時間を味方にできる
お金は、長い時間をかけるほど育ちます。投資で得た利益をさらに投資に回す「複利」の効果は、期間が長いほど大きくなります。20代で始めるか、40代で始めるかの差は、あとから取り戻すのがとても難しいんです。
2. 失敗しても取り返しやすい
20代は、まだ動かすお金が少ない時期です。だからこそ、少額で試して失敗しても、ダメージが小さくて済みます。「お金の失敗の練習」ができるのは若いうちの特権です。
3. お金の不安の正体は「知らないこと」
将来へのお金の不安は、ほとんどが「よくわからない」ことから来ています。税金、保険、年金、投資の基本を知るだけで、漠然とした不安はかなり小さくなります。
お金の勉強は「5つのテーマ」を順番に
お金の勉強は、範囲が広くて迷いがちです。おすすめは、次の順番で一つずつ押さえていくことです。
| 順番 | テーマ | まず知っておきたいこと |
|---|---|---|
| 1 | 使う | 毎月いくら入って、何にいくら使っているか |
| 2 | 貯める | 固定費の見直しと先取り貯金 |
| 3 | 守る | 税金・社会保険・保険の基本と、詐欺から身を守る知識 |
| 4 | 増やす | NISAやiDeCoなど、税金が優遇される制度 |
| 5 | 稼ぐ | 本業の収入アップや副業 |
1. 使う:まずは家計を「見える化」する
最初にやるべきことは、自分の収入と支出を把握することです。1〜2か月だけでいいので、何にいくら使っているかを記録してみましょう。
手書きの家計簿が続かない人は、銀行口座やクレジットカードと連携できる家計簿アプリを使うと、ほぼ自動で記録できます。
2. 貯める:固定費を見直して、先取りで貯める
貯金のコツは、節約よりも先に「固定費」を見直すことです。スマホ代、サブスク、保険料などは、一度見直すだけで毎月ずっと効果が続きます。
そのうえで、給料が入ったらすぐに一定額を別口座に移す「先取り貯金」にすると、無理なくお金が貯まります。目安として、まずは生活費の3〜6か月分を生活防衛資金として貯めておくと安心です。
3. 守る:税金・保険・詐欺の基本を知る
給与明細を見て、所得税・住民税・社会保険料がどれくらい引かれているか、説明できますか? 自分が払っているお金の仕組みを知ることも、立派なお金の勉強です。
また、20代のうちは「必要以上の保険に入らない」ことも大切です。公的な健康保険などでカバーされる範囲を知ったうえで、本当に必要な保障だけを選びましょう。「必ず儲かる」という投資話は詐欺を疑うのも、お金を守る基本です。
4. 増やす:NISAとiDeCoを知る
生活防衛資金が貯まったら、資産を増やすことも考えてみましょう。日本には、投資の利益に税金がかからない制度があります。
- NISA:投資で得た利益が非課税になる制度。2024年からの新しいNISAでは、年間で最大360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)、生涯で1,800万円まで非課税で投資できます。18歳以上が対象です
- iDeCo:自分で掛け金を出して老後資金をつくる制度。掛け金が所得控除になり、税金が安くなるのが特徴。原則60歳まで引き出せない点に注意が必要です
どちらも、いきなり大きな金額で始める必要はありません。月数千円の積立から始めて、仕組みに慣れていくのがおすすめです。制度の最新情報は、金融庁のNISA特設サイトで確認できます。
5. 稼ぐ:収入を増やす力をつける
支出を減らすことには限界がありますが、収入を増やすことには上限がありません。20代のうちは、スキルを磨いて本業の収入を上げることが、どんな投資よりもリターンが大きいことも多いです。余裕が出てきたら、小さな副業にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
お金の勉強のおすすめの方法
- 本で体系的に学ぶ:全体像をつかむなら本が一番。図解や漫画の入門書から入るとスムーズです
- 公的機関の情報を見る:金融庁や日本年金機構などの公式サイトは、正確で無料
- 少額で実際にやってみる:家計簿アプリやNISAの積立など、手を動かすと理解が一気に深まります
SNSや動画は手軽ですが、情報の質にばらつきがあります。「誰が、何のために発信しているか」を意識して、うのみにしないようにしましょう。
家計の見える化は3ステップでOK
お金の勉強の第一歩である「家計の見える化」は、難しく考える必要はありません。次の3ステップで十分です。
- 手取り収入を確認する:給与明細の「差引支給額」が、実際に使えるお金です。額面の金額ではなく、手取りで考えるのがポイントです
- 固定費を書き出す:家賃、スマホ代、ネット代、サブスク、保険料など、毎月ほぼ同じ額が出ていくものをリストにします
- 変動費をざっくり把握する:食費、日用品、交際費、趣味など、月によって変わる支出です。1円単位で記録しなくても、カードや電子マネーの利用明細を見れば大まかにわかります
この3つがわかると、「毎月いくら余るのか」「どこを削れば貯金できるのか」がはっきりします。最初の1か月は記録だけに集中して、節約しようとしなくても大丈夫です。
固定費の見直しチェックリスト
固定費は、一度見直すと毎月ずっと効果が続く「節約のコスパが一番いい場所」です。次の項目を順番にチェックしてみましょう。
| 項目 | チェックするポイント |
|---|---|
| スマホ代 | 使っているデータ量に対してプランが大きすぎないか。格安プランへの乗り換えも検討 |
| サブスク | 動画、音楽、アプリなど、最近使っていないものが残っていないか |
| 保険 | 内容をよく知らないまま入っていないか。保障が重複していないか |
| 家賃 | 手取りに対して高すぎないか。更新のタイミングで住み替えも選択肢に |
| ネット回線 | スマホとのセット割など、もっと安くなる組み合わせはないか |
特にサブスクは、1つひとつは小さな金額でも、積み重なると年間で大きな額になります。使っていないものは、今日のうちに解約しておきましょう。
20代がやりがちなお金の失敗5つ
お金の勉強は「何をするか」と同じくらい、「何をしないか」も大切です。20代がやってしまいがちな失敗を知っておきましょう。
1. リボ払いや分割払いを気軽に使う
リボ払いは、毎月の支払いが一定で楽に感じますが、高い手数料がかかり続けます。気づいたら支払いが終わらない、ということにもなりかねません。クレジットカードは一括払いが基本です。
2. 「みんなやっているから」で投資を始める
仕組みを理解しないまま、SNSで話題の銘柄や暗号資産に大きなお金を入れるのは危険です。投資は、自分が説明できるものに、なくなっても困らない金額で行いましょう。
3. 必要以上の保険に入る
勧められるままに保険に入り、毎月高い保険料を払っているケースは少なくありません。独身で扶養家族がいない20代なら、大きな死亡保障は必要ないことも多いです。
4. 収入が増えた分だけ生活レベルを上げる
昇給やボーナスのたびに使うお金を増やしていると、いつまでたっても貯金が増えません。収入が増えたら、まず貯金や積立の額を増やすのがコツです。
5. お金の話を避ける
お金の話をするのは恥ずかしい、と感じる人もいるかもしれません。でも、信頼できる人とお金について話すことで、知らなかった情報や考え方に出会えます。
1か月でお金の基礎を固める学習プラン
「何から手をつければいいかわからない」という人のために、1か月の学習プランの例を紹介します。1日15〜30分でも十分です。
| 週 | テーマ | やること |
|---|---|---|
| 1週目 | 使う | 家計簿アプリを入れて、先月の支出を確認する |
| 2週目 | 貯める | 固定費を見直して、先取り貯金の設定をする |
| 3週目 | 守る | 給与明細の見方と、自分が入っている保険の内容を確認する |
| 4週目 | 増やす | NISAの仕組みを調べて、証券口座の開設を検討する |
1か月後には、自分のお金の流れが見えるようになり、将来に向けて何をすればいいかがはっきりしているはずです。
お金の勉強を続けるためのコツ
お金の勉強は、一度にがんばるよりも、少しずつ続けることが大切です。三日坊主にならないためのコツを紹介します。
まず、勉強した内容をすぐに自分のお金に当てはめてみることです。固定費の見直し方を学んだら、その日のうちに自分のスマホのプランを確認する。NISAの仕組みを読んだら、証券会社の口座開設ページをのぞいてみる。知識が実際の行動とつながると、理解が深まるだけでなく、「得をした」という実感がモチベーションになります。
次に、年に1〜2回、お金の「健康診断」をする日を決めることです。誕生日や年末など、覚えやすいタイミングで、貯金額、投資の状況、保険の内容、固定費を見直しましょう。毎月細かく管理するのが苦手な人でも、年に数回の見直しなら続けやすいはずです。
最後に、完璧を目指さないことです。お金の世界は奥が深く、すべてを理解するのは専門家でも難しいもの。まずは「自分の生活に関係があるところ」だけを押さえれば十分です。わからないことが出てきたら、そのたびに調べればいいんです。
よくある質問
貯金がほとんどなくても、勉強を始めていい?
もちろんです。むしろ貯金が少ないうちに、家計の見える化と固定費の見直しから始めるのが一番効果的です。
投資は怖くないですか?
投資には元本割れのリスクがあります。だからこそ、生活防衛資金を確保したうえで、なくなっても生活に困らない金額から始めることが大切です。
どれくらい勉強すればいい?
まずは1か月、週に1〜2時間で十分です。この記事の5つのテーマを一つずつ調べるだけでも、基礎はしっかり身につきます。
家計簿はどのくらい続ければいい?
まずは2〜3か月続けてみましょう。お金の流れがつかめたら、毎日つけなくても、月に1回見直すだけで十分です。
NISAとiDeCo、どちらから始めるべき?
いつでも引き出せるNISAのほうが、20代には始めやすいことが多いです。iDeCoは原則60歳まで引き出せないので、仕組みを理解したうえで検討しましょう。
まとめ|今日できる最初の一歩
- お金の勉強は「使う→貯める→守る→増やす→稼ぐ」の順番で
- 最初の一歩は、今月の収入と支出を書き出すこと
- 投資は生活防衛資金を確保してから、少額の積立で始める
お金の知識は、一度身につければ一生使える財産です。まずは今日、スマホの明細を開いて、先月何にいくら使ったかを見てみるところから始めてみてください。
